Home > ARTICLE > 本:ウェブ社会をどう生きるか

本:ウェブ社会をどう生きるか

  • 2008-02-12 (火) 23:53

▼「自分と対決する」がテーマのここ最近です。
しばらく本と対決した結果(書評)を意識的にアップしていきたいと思います。

▼ウェブ関連の書評が多いですが、今度はこれを読みました。

ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書 新赤版 1074)
ウェブ社会をどう生きるか (岩波新書 新赤版 1074) 西垣 通 岩波書店 2007-05
売り上げランキング : 66137
おすすめ平均 star
star主張は正しくても、何の影響力も与えられない
star上滑りしない情報論
star「アンチ」ウェブ進化論

Amazonで詳しく見る by G-Tools

構造化するウェブの前書きに、「ウェブが社会にどのような影響を及ぼすか」についてはこの本によくまとまっている、と書かれていたので、図書館でレンタル(もうすぐ大学の図書館が使えなくなると思うと怖い笑)。

▼著者の西垣さんは東工大の教授で情報の専門家。情報およびウェブの学問的考察が面白いです。ウェブ進化論ほどの明快さはなくモヤモヤしているので、Amazonの辛口レビューはそれによるのかなと思います。

▼「そもそも情報は伝わらない」という過激な見出しの第一章。

 情報とは生物が世界と関係することで出現するものであり、具体的には生物が生きる上で「意味のある(識別できる)パターン」(p18)

 たとえば敵、異性、食物などのパターンを想像すればわかりやすい。それらは生物にとって重要なので、世界の中で浮かび上がって認識され、認知対象となるわけです。(p18)

 したがって、情報とは生物にとって意味のあるもの、すなわち「生命情報」ということになるでしょう。(p18)

本来情報は“やり取りする”ものではなくて、個人の中に“生まれる”ものなのかもしれません。「AがBである」ことは本質ではなく、「AがBであり、それが自分にとって何なのか?」が大事だ。今のITは「AがBである」という情報のやりとりには力を発揮している。だけど、「AがBであり、それが自分にとって何なのか?」ということを扱うにはまだ未熟、というより有害ですらあるかもしれない。

これはITだけじゃなく、教育などの分野でも言えそうだ。

Popularity: 4% [?]

Comments:2

いけだ 08-02-13 (水) 10:46

>今のITは「AがBである」という情報のやりとりには力を発揮している。だけど、「AがBであり、それが自分にとって何なのか?」ということを扱うにはまだ未熟、というより有害ですらあるかもしれない。
>これはITだけじゃなく、教育などの分野でも言えそうだ。

個人的には、この部分はIT云々の問題ではなく、まさに教育の問題ではないかなと思うね。
博覧強記な記憶量がものをいったIT革命以前と比べて、情報そのものの外部化が容易になった現代では、情報の覚え方よりも使い方が大事。
どっかの本に書いてあったけど、学生時代はカンニングはNGだけど、社会に出たらカンニング力が全て。覚えていることは重要じゃなく、必要な時に思い出せるように情報を整理しておく力が大事なんだ、と。
そういう力を鍛えるような教育なり、試験制度が大事かなぁと思う。

yusuketanaka.org 08-02-15 (金) 0:25

海外の学校の中には、まさにこのような意識を持って「カンニングOK」にした学校があるって聞いた事があるな。確かにそっちの方が合理的だと思うよね。
個人的には学生時代にせよ社会に出てからにせよ、「テストの問題を自分でつくる」=「自分の目的・目標をつくる」というのが一番大事かなと思うけど。そこには(日本の)ITも教育も、まだ未熟かなと思います。

Comment Form
Remember personal info

Trackback+Pingback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.yusuketanaka.org/2008/02/12/howtolivein_websociety/trackback/
Listed below are links to weblogs that reference
本:ウェブ社会をどう生きるか from yusuketanaka.org

Home > ARTICLE > 本:ウェブ社会をどう生きるか

    Page Top